「明日健康診断なんだけど、血糖値を速効で下げる方法は無いか?」
とか
「血糖値を測ったら凄い数字が出ちゃった、今すぐ下げたい」
と言う人、とりあえず運動することです。
血糖値
血糖値というのは、血液中に含まれる糖分の量を表します。血糖値を下げると言うことは、血液中の糖分を減らすことです。
通常食事をすると、食事に含まれる糖分が腸から血液中へ吸収され、血液中の糖分が増える=血糖値が上がります。そして血糖値が上がると、インスリンというホルモンの一種が膵臓から分泌されて、糖分は細胞に取り込まれてエネルギーとして利用され、残った分は脂肪として蓄えられます。
所が、一度に大量の糖分を摂取してインスリンによる処理が間に合わなくなったり、インスリンの量が減少したり効き目が低下すると血糖値が下がらなくなります。
しかし、このインスリンによる処理とは別系統で糖を消費できるのが筋肉。筋肉を動かすことで、直接的に糖を消費できます。
言うなれば筋肉はエンジンで、糖はガソリン。エンジンを動かせば、ガソリンが消費されるというわけです。糖尿病の治療に運動療法が取り入れられるのはこのためです。
運動
ではどんな運動が良いのか?と言うと、とりあえず簡単にできる運動で構いません。ジョギングでもエアロビクスでも、水泳でも筋肉トレーニングでも。とにかく筋肉を動かせば糖分が消費されて血糖値が下がります。
ただ、あえて言うなら無酸素運動がいいかもしれません。
無酸素運動って聞いたことが無いかもしれませんが、運動には有酸素運動と無酸素運動の2種類があります。
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことをいいます。
ジョギングやエアロビクス、水泳等、少〜中程度の負荷で、ある程度の時間をかけて行います。
一方の無酸素運動は
筋肉に貯めてある糖質をエネルギー源にする運動で、短距離走や筋トレなど、筋肉に対して高い負荷を短時間に集中的にかけて行います。引用元:有酸素運動の効果とは?初心者におすすめの家でもできる運動
無酸素運動は筋肉に格納された糖をエネルギー源にしますが、有酸素運動は20分以上続けると、糖分では無く脂肪をエネルギー源として利用するようになると言われています。
ですので、20分以上続けるなら無酸素運動の方が良いかと思われます。
代表的な無酸素運動は筋肉トレーニングでしょう。
「筋トレなんて道具もないし、ジムに通うのはお金もかかる」という方、器具も使わずに自宅で出来るトレーニングメニューが動画で公開されていますので参考にしてください。
この他、血糖値を下げるための運動を、自分で検証した動画などもあります。
無酸素運動を中心に紹介しましたが、では有酸素運動(特に20分以上続ける)は意味が無いかというと、そんなことはありません。
有酸素運動は脂肪を燃焼させるので、脂肪を減らすのに効果的です。そして、この脂肪(特に内臓脂肪)は血糖値を上げる原因となるので、日常的に有酸素運動をすることは血糖値対策としてとても有効なのです。
hbA1c
血糖値を表す指標として、もう一つhbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)と言うのもあります。健康診断の項目にもあるはずですが、これは
過去1〜2ヶ月前の血糖値を反映しますので、当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。引用元:HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)ってなに?
過去1〜2ヶ月における血糖値を反映するため、これを速攻で下げる方法は存在しません。恐らく、血糖値を測定する時だけ絶食したり運動して血糖値を下げる人がいたのではないでしょうか?そのため、空腹時血糖値だけでは糖尿病やその兆候を見落とす事があるので、健康診断でもhbA1cの検査が取り入れられるようになったのかもしれません。
糖尿病
運動で一時的に血糖とを下げることが出来たとしても、それで安心してはいけません。日常的に運動したり、食事で糖質を減らすなど生活習慣全般の改善を行わないと、時間の問題で糖尿病を発症してしまいます。
糖尿病は初期の段階では自覚症状に乏しく、発症していても気がつかないことが多い病気です。代表的な自覚症状の
喉の渇き
頻尿
眠気
倦怠感
等を実感するのは、かなり症状が進行してからのケースが多いと言われています。
そして、一度発症したら完治することは無く、一生血糖値コントロールに神経を使う生活を送らなければならなくなり、コントロールに失敗すれば合併症によって
失明
人工透析
手足の壊疽
心筋梗塞や脳梗塞
を引き起こすリスクが高くなります。もし血糖値やhbA1cが基準値を超えていたら、直ちに対策をとって下さい。